relica 開発までの道のり【Chapter.2 - relica G2】

【Chapter.1】を読む

relica (第一世代)の販売開始から3年。


コンパクトな外観、シンプルな取付方法を評価いただき、大手家電量販店への導入も完了した頃でした。

残念なご意見として多かったのは以下3点。

  1. 初期設定のステップが多い
  2. アプリがSREE開発でないため不安
  3. カメラの通信状態とバッテリー状態が分かりづらい


より多くのユーザー様にご満足いただくためには、これらを必ず解決する必要がありました。

1.初期設定のステップが多い

これはユーザー様が購入後、一番最初に直面するポイントです。

relica(第一世代)で使用する専用アプリでは、初期設定時に以下のようなステップを踏みます。

1.スマートフォンをrelicaとペアリング予定のWiFiに接続する。
2.アプリにてアカウント作成後、「+」をタップする。
3.「カメラ」をタップする。
4.もう一度「カメラ」をタップする。
5.カメラが正常に起動しているか「確認」をタップする。
6.スマートフォンによっては1工程増える。
7.カメラが正常に起動していれば、表示されるボタンをタップする。
8.接続先のWiFi情報(SSID・暗号化キー)を入力し進む。
9.「登録中」が表示される。
10.ペアリングが完了する。

ステップが増えればその分、トラブルの発生可能性も高まります。
ご覧の通り、切り替わる画面とボタンが多いため、登録に失敗してしまう等のトラブルがどこで発生しているか特定しづらいのです。

このステップは、セキュリティ重視という背景がありましたが、利便性を低下させている一因でありました。

 


2.アプリがSREE開発ではないため不安

ブランドとしてのrelica(株式会社SREE)は元々製造メーカーであり、アプリの開発体制を持ち合わせていませんでした。
そのためrelica(第一世代)の企画段階で外部委託することになりました。
利便性の観点で、他の防犯カメラでも使用されている既存のプラットフォームを活用しました。

1.で紹介したステップの多さ…これが理由です。
つまり様々なメーカーの防犯カメラに採用されているため、製品ごとにステップやメニューが異なってしまうという構造上の問題が存在していました。

これにより使いやすいインターフェースを提供できると考えていましたが、結果プラットフォーム側の操作性をすべてrelica(第一世代)に適用することは難しく、満足のいくユーザビリティに達しませんでした。



3.カメラの通信状態とバッテリー状態が分かりづらい

通信状態とバッテリー状態に関する通知、表示は利用満足度に直結する機能でありますが、relica(第一世代)では、少々分かりづらい点がありました。
本体でそれを示すことが出来ないのであれば、アプリホーム画面やライブ視聴画面に表示できるのがベストですが、そのような機能はありませんでした。


とはいえこれらの課題を加味しても「かんたん取付」「リアルタイムで遠隔視聴」「トラブルがあったら通知」といった性能を多くのユーザー様に評価いただきました。


そんな中、relica (第一世代)の性能向上に関するプロジェクトが2020年に発足しました。
後継モデルの開発です。

後継モデルは、わかりやすいハードウェアスペックの向上だけでなく、フィードバックを考慮したソフトウェア上のアプローチも含みます。

1.初期設定のステップを減らす
 → 5ステップ以内にする
2.アプリを自社開発する
 →社内で開発体制を整える
3.カメラの通信状態、バッテリー状態を可視化する
 →アイコン表示で解決する


これらを取り入れ、アプリ「relica」を開発しました。
そして後継モデルとなるハードウェアを「relica G2」としました。
"G2"は、Gen 2 (第二世代)の略称です。

relica(第一世代) relica G2
画素数 100万画素 200万画素
解像度 1280×720 1920×1080
サイズ 48×46×103mm 48×46×103mm
重量 180g 173g
動体検知録画 検知後15秒固定 検知後8秒/検知が継続する場合録画を続行
連続録画 不可
対応ストレージ MicroSDカード32GB MicroSDカード128GB
検知タイムラグ 最短2秒 最短0.5秒
本体ファームウェア アップデート不可 アップデート可
双方向通話 不可
検知ロジック(ハードウェア) 熱検知センサー 熱検知センサー
生産台数(2023.11) 約4000台 約12,000台+
アプリ 外部委託 自社開発「relica」
アプリ性能 - 初期設定 10ステップ 5ステップ
アプリ性能 - バッテリー アイコン表示なし アイコン表示あり
アプリ性能 - 通信状態 アイコン表示なし アイコン表示あり
アプリ性能 - ネットワーク オンラインのみ オンライン/オフライン
アプリ性能 - 検知ロジック - 人型フィルター可



ご覧の通り、relica G2ではスペックや利便性が大きく前進しました。
2020年から2年もの間、開発に時間を注ぎました。

試作から事前告知、生産まで行ない、2022年1月クラウドファンディングサービスMakuakeで支援を募りました。その結果多くの方々から2,240万円もの支援をして頂きました。
この支援金額は、本投稿時点Makuake防犯カメラジャンル内で最高額です。
それだけ皆様から期待されたプロダクトであったことは間違いありません。

※Makuake:"【新時代の防犯カメラ】ワイヤレスだから設置が楽々!異常があればスマホにお知らせ"より引用
https://www.makuake.com/project/sree/


Makuakeでの成功により、relica G2は更に多くの家電量販店、ホームセンターへ導入を進められました。
その結果発売後1年で、relica (第一世代)の生産台数を超えました。

今年4月には、世間を騒がせた「ルフィ強盗殺人事件」の煽りを受け、relica G2の出荷台数が一時的に増加しました。
この事件は、強盗団が窃盗に加え殺人まで行なうという非常に凶悪な内容でした。

この事件が報道された4月、relica G2の出荷台数は例年の平均値と比較して30%ほど増加しました。

ルフィ強盗殺人事件 (広域強盗事件)

全国で相次いでいる一連の広域強盗事件で指示を出していた疑いがある「ルフィ」と名乗る人物が、第三者のSNSのアカウントを使うなどして実行役などとやり取りしていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かりました。警察当局は、アカウントから身元が割り出されないようにしていたとみて調べるとともに、フィリピンの入管施設に収容されている日本人が「ルフィ」を名乗っていた疑いがあるとして、4、5人の日本人の引き渡しを現地当局に求めています。一連の広域強盗事件で、警察当局は、SNSの「闇バイト」でメンバーを集め、実行犯を入れ替えながら犯行を繰り返しているグループが存在し、フィリピンの入管施設に収容されている日本人が「ルフィ」と名乗り、複数の事件で実行役に指示を出していた疑いがあるとみています。

NHK NEWS WEB:「ルフィ」名乗る人物 第三者のSNSアカウントで実行役に指示か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230128/k10013963911000.html



このような社会問題に対しrelicaの存在が認められ、安全と治安における社会課題の解決策として選ばれたのです。

またrelica G2は、relica (第一世代)から受け継いだ防犯装置としての性能だけでなく、双方向通話機能を搭載し、コミュニケーションツールとしても進化しました。

 


この双方向通話機能と共有機能を組み合わせ、ご家族とのコミュニケーションツールとして活用いただいているケースもあります。

更にファームウェアアップデート機能を通じて、本体性能の持続的な改善が実現されています
お買い上げいただいた後も進化し続け、その実感を皆様にお届けできます。

その他、お声の多かった「ネットワーク無しで録画できるオフラインモード」、「連続録画機能」を実装しました。

皆様の安心・安全を守るだけでなく、より豊かな社会生活の実現を目指し進化したプロダクトが此処に在ります。

 

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