「防犯カメラってなにがどこまで見えるの?」
ご購入を検討されているお客様であれば、誰しもが考えたことのある疑問です。
今回、その疑問を解決できる一つのヒント、"DORI"を紹介させていただきます。
サマリー
- カメラの性能指標として、"DORI (ディーオーアールアイ)"が存在する。
- "DORI"は「被写体がどのくらい見えるか」を4つの指標で数値化する。
- カメラ性能を評価する目的で作成された国際規格。
- Recognition(認識)までが実用的な鮮明度と考えられる。
- Recognition(認識)では、200万画素で約9.7m、500万画素で約13m、800万画素で約16mとされる。
※2.8mm固定レンズと仮定
基本情報
“DORI ” (ディーオーアールアイ)とは、Detection(検出)、Observation(観察)、Recognition(認識)、Identification(識別)の頭文字を並べた用語です。“DORI” は、国際規格IEC-EN 62676-4 に準拠し定義された指標です。”DORI”は、画像の解像度、レンズの焦点距離、被写体の距離などの要素を考慮し、ネットワークカメラの性能を評価するために開発されました。
以下の数値は、IEC EN62676-4:2015という国際規格に準拠されたものです。
※国際規格IEC 62676-4(セキュリティアプリケーションでの使⽤向け映像監視システム - Part 4: アプリケーションガイドライン
4つの性能指標
DORI は、PPM(ピクセル・パー・メーター)という単位を用いることにより、カメラ性能の定量的評価を可能にしました。
PPM とは、映像上で1 メートルの距離を何ピクセルで表現しているかを示す数値の単位です。PPM が高い数値であるほど、有用な映像情報であるといえます。
検出 - Detection (25PPM)
検出は、被写体(人物や車両)が存在するかどうかを検出する能力の評価基準です。1メートルあたりのピクセル数は25ピクセルです。いかに小さな対象物を検出できるかが重要となります。図1
観察 - Observation (62PPM)
観察は、被写体(人物や車両)の詳細な特徴を捉える能力の評価基準です。1 メートルあたりのピクセル数は62ピクセルです。着用している衣服などの個人の特徴的な詳細を確認できます。図2
認識 - Recognition (125PPM)
認識は、人の顔や車両ナンバープレートなどの特定の要素を認識する能力の評価基準です。1メートルあたりのピクセル数は125ピクセルです。同じ対象物であることを決定できるが重要です。図3
識別 - Identification (250PPM)
識別は、対象物を正確に識別する能力の評価基準です。1メートルあたりのピクセル数は250ピクセルです。人の顔の識別や小さく細かい文字の読み取りが可能かどうかが重要となります。図4
同一解像度におけるレンズ焦点距離別"DORI"評価
撮影目的となる被写体までの距離を予めカメラ機種選定時にシミュレーションしておくことが重要となります。上記表において、カメラ設置位置から5m 先の被写体の情報を確実に「識別」する必要がある場合、レンズ焦点距離は6mm のカメラを選定する必要があります。
2.8mm | 6mm | |
D : 検出 (25ppm) | 43m 先まで検出可能 | 120m 先まで検出可能 |
O : 観察 (62ppm) | 17m 先まで観察可能 | 48m 先まで観察可能 |
R : 認識 (125ppm) | 9m 先まで認識可能 | 24m 先まで認識可能 |
I : 識別 (250ppm) | 4m 先まで識別可能 | 12m 先まで識別可能 |
同一レンズ焦点距離における解像度別"DORI"評価
200万画素 - 1920×1080px 図5
500万画素 - 2560×1920px 図6
800万画素 - 3840×2160px 図7
図5〜図7 画像:2.8mm固定レンズと仮定
※本投稿は、国際規格IEC-EN62676-4に準拠し作成しました。
※防犯カメラは、映像内で「何が起き」「誰がその事象を起こしたか」に関する情報を提供します。実際の商品動作をお約束するものではございません。